家づくり、住まいづくり

07/05/2015

郊外の夢と現実

1999年の新書を最近読んだ。三浦展著「家族」と「幸福」の戦後史〜郊外の夢と現実Dscn0244日本のマイホーム神話を1939年ニューヨーク万博以降のアメリカ社会から考察するという第1章、第2章からぐいぐい引き込まれます。住宅ローンは資本主義を強力に押し進めるためにアメリカが発明したものだというのは、隈研吾さんの「建築的欲望の終焉」(1994)で読んだ記憶があるが、「アメリカンウェイオブライフ」の実現、もっとはっきり言えば「誰でも自分の家と土地を持てば、共産主義者にはならない」というというスローガンのもと東西冷戦下の世界状況の中で、まずアメリカ中に広まり、約30年かけて日本がそれを追いかけてきた、など目から鱗の事実。著者の筆致も今と比べると若さに溢れた感じがする、というか最近の著書の大元のネタがここにある。後半の現在(99年当時)から近い将来を見通した章も今読んでもおもしろかった。話は逸れるけど、講談社現代新書の黄色っぽい表紙の初版を古本で購入したのだけれど、昔は新書といえど表紙カバーまでちゃんとイラストを添えてデザインしていたんだよなあ。最近の白地に文字だけフォントで組みました・・的節約デザイン(もはやデザインでもないか)の表紙の味気なさと比べると隔世の感。
Sengoshi

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02/01/2010

ヒアシンスハウス

用事で出掛けたついでに足を延ばして寄ってみた「ヒアシンスハウス」詩人立原道造の夢の家。「小屋」好きにはたまらない。Hiashinnsu


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12/12/2009

こんな本を読んだ「大工力」

トラスの技術書を探していて見つけた。大型木造建築が建てられなくなってその技術さえ失われつつある時代に抵抗して頑張っておられる大工の親方が書いた本ですが、これが大変示唆に富んでおりタメになったというか唯一の指南書。
木造技術というと何かと宮大工のお話とか金物使わない「伝統」工法とかばかりだが、こちらは戦後(もしくは戦前からか)物資の少ない中で大型の木造建築を造るというところから始まる話で、確かに木造校舎とか駅舎などが無くなったと同時に廃れたか顧みられない技術になってしまったものだ。中でも「木は引き寄せて締めて固める」のと「木の部材には軸力を負担させる」そのためには金物を開発してまで使うというところ・・一切金物など使わないのが日本の木造などという「伝統」木造論者は眉をひそめるかもしれないが木と鉄を適所に使って木に「曲げ」を負担させない脱和小屋を考え始めた頃「まさにこれだ」と思った。Daikuchikara

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12/11/2009

木造トラス

ここ数年考えていた木造トラスにチャレンジした。
これまで木造の大広間には集成材の中断面梁で力まかせにスパンを飛ばしていましたが所詮和小屋形式で梁に「曲げ」を負担させればどんどんゴツくなる部材に柱と梁の仕口を考えるとこれは「違う」と考えるようになり行き着いた所は結局「トラス」。この三角形不変の法則というおそろしく古くからある偉大な構造。
応力度に金物の耐力など構造は一応検討してはみたものの実際組み上がるまでは「ホントに大丈夫か?」・・ところが細身の部材で組み上げたフレームは乗っても揺すってもビクともしない。新鮮な驚き!
昔ながらの陸梁の継ぎ手や束の結合部などダサイ納まりでなく、なるべくすっきり見えるようにしてホールの天井にそのまま現す予定。
そんな今から次は引張り材に鉄を使ってみたいなどと構想は膨らむ・・・とはいってもシレンの「森の中の教会」とかネットで見付けた70年当時の幼稚園などとっくの昔にすばらしいお手本があります。こんな古びた技術だけれどマチバで出来る建築技術として次に繋げたいと思う。Truss1


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05/21/2008

こんな本を読んだ「小屋の力」

Koyanochikara
「小屋好き」にはタマラナイ内容、よくもまあこれだけ集めたものです。最小限住居に茶室から農家小屋漁師小屋、ツリーハウスにボートハウスから屋台・・その他もろもろ大量の写真と図版が詰まったおそろしく分厚い1冊。どこを読んでも(見ても)おもしろい。「森の小屋」を設計していた時に「とどの詰まりは子供の頃の秘密基地作りか」と思っていたけれど、「小屋」に惹かれる心情って何なのだろう。どこかの田舎の風景の中にポツんと建つ農家小屋の写真を眺めていても世間のトレンドには無縁だし、創造力を掻き立てられる訳でもないが「ケンチク」を自分の身体に引き寄せておきたいのだな、とそんな気がする。
ちなみに発刊当時本屋でチラ見しただけ(値段もちょっとだったし)だったのを今回古本にてGET。
たいへんうれしい値段でした。

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04/03/2008

MホームCM批評再び

何回か取り上げてきたMホームのCM批評。「糊貼りで作る家・・ってプラモデルじゃあるまいし」くらいにしか思えない(はっきり言って究極の工業化住宅を目指してもハイムM-1のように潔くないし、そもそも人間の手仕事を否定するような思考が嫌いでした)メーカーがどうして「住まい方への提案」などソフトに関してテーマ性のある広告を出してくるのか不思議だったところ、先月の新聞の土曜欄でM元会長の人物記を読んだ。バブル崩壊で創業経営者の立場をほとんど国からの圧力みたいなもので追われるあたりの場面は生々しくておもしろかった。結局大量生産住宅を目指した理想は会社と共に潰えこれからは例の「200年住宅」を指向するという・・
う〜ん究極の転向だなあ。ただ戦後からの住宅生産体制をそのまま体現されているようなものだし原油高に今後木材の輸入が厳しくなることを考えると国産の木造を目指す方向は確かかもしれないと思った次第。
で・・これから後のMホームのCMが気になることはもう無いのかもしれないな。

Pic04

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11/20/2007

こんな本を読んだ「光の教会」

読書の秋にもう1冊。
こちらも言わずと知れたもはや世界のアンドーの大阪の教会建設にまつわるドキュメンタリー。これが実に読みやすくおもしろい。(リアルな建築を浮き彫りにするという点で前の「中野本町の家」とこの2冊は貴重)
プロジェクトX的な教会建設に携わった男達のドラマ・・みたいなところもグッとくるものがありますが、建設当時はバブルの真っ盛り・・そこにあって「お金儲けにはならへんけどこんな小さな建物でも一生懸命造るってことから何かまた・・・」みたいな安藤さんの語りを思い出す。(その当時NHKのドキュメンタリー番組にも取り上げられてそこでも言ってたと思う・・若干違うかも知れないがそんなニュアンス)それからもうずいぶん月日が経って、事態はどうか?そんな熱き現場のイメージはますます難しく、というより想像することすら許されないような今日。それでも・・と思うときまた読み返してみる本。Hkyokai

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11/19/2007

こんな本を読んだ・中野本町の家

言わずと知れた伊東豊雄さんのデビュー作・・と言っても現存しない住宅のことなど知っている方がまれか。
その昔外観の写真だけを頼りに中野本町をうろつき篠原一男作品を探しに代々木上原を回った者としてもはるか
記憶の片隅に・・とは言えあのUの字型の平面と雑誌で見たカーブした壁の向こうから伸びる人影の写った内部の写真はキリコの絵のようで衝撃的だったなあ。
そんな前衛住宅に住んだ家族の生の声を拾ったリアルなドキュメント・・これがまたおもしろい(と言ったら失礼か)。
その中で雑誌に取り上げられた自分の家が「どうしてウチが「中野本町の家」なのって思った」というくだりが妙に印象に残った。今や「どこそこ町の家」というのが住宅ジャーナリズム的にすっかり定着してしまった感があるモノの一方建て主サン側にしてみれば「自分の家(もっと言えば財産)」以外の何物でも無いわけで・・ケンチク業界側の論理による建物名称を何の気は無しに使うのはもういい加減やめた方がいいような・・
それより昔は「斉藤助教授の家」はベタ過ぎるにしても「呉羽の舎」とか「白の家」とかもうちょっと情緒的なところがあったなんて言ったら昔話に過ぎるか・・

Nakanohon

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10/06/2007

MホームCM批評続

以前にも書いたMISAWAホームのCMについて。最新のCMではマツイさんにかわいい奥さんがいる設定みたいになったけど、お家のカタチは同じでも屋根のカタチや色を替えれば「ほーらあなただけの1軒に」・・ってカンジになってしまいましたね。それまではあったし、だからこそ気になるCMだった「今、住宅で考えること」みたいなハウスメーカーとしてのテーマ性はとうとう皆無になってしまった。思えばベースの車体はセダンかワンボックスか(もっとはっきり言えばカローラの客かレクサスの客か)決めたらカラーは見本の中から選びオプションでパーツをくっつければあなたの1台・・なんて完全に車購入のノリになってしまった(いかにも住宅営業の手離れの悪さを何とかしようとしたときに考えそうな手だ)と思ったら、すでのTOYOTAの会社だったか。

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